アンティークショップで同じ商品の値段が違うのはなぜ?

メーカーの新品商品は、卸価格や小売価格が一定であり、多くのショップがほぼ同じ価格で販売しています。
しかし、アンティークショップでは、同じ商品であっても価格が大きく異なります。
また、商品の状態も新品同様の未使用品から、使い込まれてボロボロのものまで幅広く流通しています。

なぜ価格に差が生じるのか。それは仕入れルートの違いによるものです。

1. 国内での買取・調達

国内の買取業者を利用したり、古物オークションで仕入れたりする場合、すでに仕入れ価格が一定ではありません。
例えば、リサイクルショップが倉庫整理などで大量の商品を一括仕入れする場合、極端に安い価格で調達できることもあります。

2. 海外オークションでの仕入れ

ブランドや銘柄が明確な商品は、海外のオークションで取引されることが多く、仕入れコストが高くなりがちです。
オークションに参加できる資格があったとしても、支払いはユーロやポンドで行う必要があり、現在の円安の影響でさらにコストが上がります。

また、輸送費・保険料・関税などの諸費用がかかる上、破損しても返金を受けられない場合があります。
これらのコストを加え、さらに販売利益を考慮すると、最終的に価格が非常に高くなることもあります。

3. 現地調達

現地での仕入れ価格も一律ではありません。
イギリスやイタリア、フランスのアンティークマーケットや蚤の市はすでに観光地化しており、掘り出し物が少なく、相場も高めです。
加えて、為替の影響や買い付けにかかる費用も考慮する必要があります。

一方で、大型のワンボックスカーを借り、現地の住宅を回って不用品を直接回収する業者も存在します。
この方法を用いる業者は、大量の食器やアンティークを格安で調達できる可能性があり、EMSなどの小口配送ではなく、1フィートコンテナを貸し切って家具や食器を詰め込んで輸送します。

こうした業者は運営コストこそかかるものの、仕入れ価格が抑えられ、船便を利用するため輸送コストも低くなります。その結果、日本での販売価格も比較的安く抑えられるのです。

アンティークショップで同じ商品の値段が違うのはなぜ?

このように、アンティーク商品の価格は仕入れルートによって大きく異なります。
国内調達は比較的安価で仕入れられることが多いものの、流通量や状態にバラつきがあります。
一方、海外オークションでの仕入れは品質が保証されやすい反面、コストが高くなります。
現地調達では、大衆化した市場では価格が高騰しがちですが、独自のルートを持つ業者は比較的安価に仕入れることが可能です。

そのため、同じ商品でもショップごとに価格が異なるのは一般的で、割高だからといって必ずしも悪い業者ではなく、また安い業者は特殊な仕入れルートを確保していることもあります。