コーヒーの生豆を自分で焙煎(手煎り)することは、コーヒー愛好家にとって魅力的な挑戦ですが、初心者にとっては難しい作業でもあります。
ここでは、手煎りが難しい理由について詳しく解説します。
均一な焙煎が難しい
コーヒー豆は焙煎中に均一な熱を受ける必要があります。
家庭での手煎りでは焙煎機のように温度や回転を自動制御する仕組みがないため、豆の一部が過剰に熱せられたり、逆に十分に焙煎されなかったりすることがよくあります。
特にフライパンや手網を使う場合、豆を絶えず動かし続けなければならず、焙煎のムラが生じやすくなります。
温度管理が難しい
コーヒーの焙煎は温度によって風味が大きく変化します。
例えば、焙煎温度が低すぎると酸味が強く残り、高すぎると苦味が強くなります。
一般的な焙煎機では温度センサーがあり、細かく調整できますが、手煎りでは目視や経験に頼るしかなく、適切な温度を維持するのが難しいのです。
焙煎の進行を見極めるのが難しい
焙煎中のコーヒー豆は、時間の経過とともに色が変わり、香りや音も変化します。特に、「1ハゼ(豆がポップコーンのように弾ける音)」や「2ハゼ(さらに細かく弾ける音)」といった段階があり、焙煎のタイミングを見極めることが重要です。
初心者には、この変化を正確に判断するのが難しく、意図しない焙煎度になってしまうことがあります。
煙と匂いの管理が必要
焙煎中には大量の煙が発生し、独特の香りが部屋に充満します。特に深煎りになるほど煙の量が増え、家庭の換気設備では十分に排出できないこともあります。
これにより、室内が焦げ臭くなったり、近隣に迷惑をかけたりする可能性があるため、適切な換気が求められます。
失敗のリスクが高い
手煎りでは、ちょっとした加熱の違いで豆の風味が変わってしまいます。経験の浅いうちは、焦がしてしまったり、生焼けのまま終わってしまったりすることが多く、安定した焙煎が難しいのです。焙煎を成功させるには、何度も試行錯誤しながら経験を積む必要があります。
他にも専用の冷却器がないと、せっかくベストな状態で焙煎できても、冷却までに時間がかかると余計な熱が入って、焙煎が進んでしまうこともあります。
手網ひとつで焙煎する場合は、予熱での遅延加熱も見越して少し浅めに煎るなど、少し特殊なテクニックが必要です。
まとめ
コーヒーの生豆を手煎りすることは、温度管理や焙煎の進行具合を見極める技術が必要であり、なかなか簡単には習得できません。しかし、試行錯誤を重ねることで、自分好みの焙煎度を見つけたり、新たな風味を発見したりする楽しみがあります。
1回で50〜100g程度しか焙煎できないので、なかなかもどかしさもあります。
最初は失敗することも多いですが、20〜30回程度チャレンジすると、段々とコツが掴めるかと思います。